SACLA企画展示 in Twitter


今回の展示本は計7冊です。
※POPをクリックすると拡大されます。
中原中也

・中原中也 1907(明治40)年〜1937(昭和12)年

  山口県出身。文学に傾倒し中学を落第。編入先の京都で長谷川泰子、富
 永太郎に出会う。ダダイズムやフランス象徴派に影響を受ける。
  長谷川泰子、小林秀雄との三角関係、息子の死を経て詩作に専念する。

  第一詩集『山羊の歌』(昭和9)、『ランボオ詩集』(昭和12)を刊行。結
 核性脳膜炎により、鎌倉にて30歳で死去。翌年、『在りし日の歌』が刊行
 された。

○代表作

 詩集『山羊の歌』…同人誌『白痴群』、昭和4〜5年の発表作を中心に、中也自身による緻密な編集を重ね出版。高村光太郎が装丁を手がけた。河上徹太郎による「彼に於て初て正しい抒情詩が邦語で歌はれたのを認める」という評価をはじめ、小林秀雄、草野新平らにも高く評価された。

 ダダイズムに傾倒した中也の特徴的な作品や代表作『サーカス』『汚れつちまつた悲しみに……』など、44詩篇が収録されている。
 上記『中原中也詩集』に全篇収録。

芥川龍之介 ・芥川龍之介 1892(明治25)年〜1927(昭和2)年

 東京都出身。東京帝国文科大学英文科卒。夏目漱石の門下生。
 第一高等学校同期の菊池寛・久米正雄らと第三次「新思潮」を発刊。処女作である「老年」を掲載する。その後、短編作品を中心に多数の作品を発表してきた。1927年に服毒自殺。
 初期の作品は、「羅生門」「鼻」「地獄変」のように、『今昔物語集』『宇治拾遺物語集』など、古典作品を題材に扱った作品が多くみられる。後期の作品になると、「歯車」「河童」など、自殺直前の芥川龍之介の厭世的な思想が感じ取れる作品も多い。
 このほかにも、「蜘蛛の糸」に代表する児童文学、「桃太郎」「猿蟹合戦」などダークな童話、翻訳物など様々なジャンルの作品を発表している。

吉村昭 ・吉村昭 1927(昭和2)年〜2006(平成18)年

  東京都荒川区生まれ。学習院大学中退後、1996年に短編小説『星への
 旅』で太宰治賞受賞。同年の『戦艦武蔵』で記録小説の新境地を開き、
 1973年には、一連の記録文学で菊池寛賞受賞。

  戦史、歴史、小説、エッセイなど幅広い分野の作品を手掛けた。史実を
 追及した姿勢は高い評価を受けている。

  短編作品の『闇にひらめく』と『仮釈放』は、1997年パルム・ドールを
 受賞した映画『うなぎ』の原作である。2006年没。


オスカー・ワイルド

・オスカー・ワイルド(Oscar Wilde, 1854-1900)


 オスカー・ワイルドはアイルランド生まれの作家。世紀末の唯美主義的な作品を執筆した。
 小説家、詩人、劇作家として幅広く活躍したが、晩年は同性愛を罪に問われて投獄された。釈放後はフランスやイタリアを放浪したが、精神的に回復することなく46歳で死去した。


○代表作
 
・『ドリアン・グレイの肖像』(The picture of Dorian Gray, 1891)
・『幸福な王子』(The Happy Prince, 1888)
・『サロメ』(Salom?,1891)
・『ウィンダミア夫人の扇子』(Lady Windermere’s Fan, 1892)
・『まじめが大切』(The Importance of Being Earnest, 1895)他


フョードル・ドストエフスキー(Dostoyevsky, Fyodor M., 1821-1881)
 
 ドストエフスキーは19世紀のロシアを代表する作家である。
 1949年に社会主義に関わりシベリアへ流刑にされ、一度は死刑を宣告される。解放された後は神秘主義やロシア正教に傾倒し、作品にもその思想が色濃く反映されている。

○代表作

ドストエフスキー ○『貧しき人びと』

・あらすじ
  貧しい小役人のジェーヴシキンと薄幸の少女ワーレンカ。二人は日々の
 様子を手紙でやりとりする親密な仲である。そんな2人のささやかな日
 常に、次第に不穏な影が差し始める。

  この作品はドストエフスキーの処女作である。大作の長編も多いドスト
 エフスキー作品の中では比較的短い話であり内容もキャッチー、ドストエ
 フスキー作品特有の宗教色も薄いため入門編としてオススメしたい一冊。


ドストエフスキー ○『罪と罰』

・あらすじ  
 二人の老女を殺した青年ラスコーリニコフ。ラスコーリニコフは自分の犯した罪を隠して生活することになるが、そんな彼のもとにいくつもの奇妙な因縁が舞い込んでくる。
 
 『罪と罰』はドストエフスキーの代表作として挙げられることも多い。
 タイトルからは難しい話を描いている印象を受けるかもしれないが、実際には娯楽作としての側面がかなり強い。長編である本作だが、いざ読み始めてみると長さを感じさせないストーリーテリングの妙に感服すること間違いなしだろう。
inserted by FC2 system